環境に配慮した、非電化路線用バッテリー電車「Smart BEST」の開発

2012年10月10日


 当社は、非電化路線向けの充電型バッテリー電車「Smart BEST」を開発、製作しました。
 当社は開発コンセプト「環境に優しい」「人に優しい」を基に2010年に『架線があってもなくても走行可能なリチウムイオン蓄電池駆動100%低床LRV「ameri TRAM」』を発表し、米国各地でデモンストレーション走行を行いました。その際、国内外から、非電化区間において外部からの充電をすることなく長距離に渡って走行することができる車両を強く要望され、今回、発電装置を搭載し、自車内で充電する自己完結型の充電型バッテリー電車のプロトタイプを開発しました。


この充電型バッテリー電車の概要は以下の通りです。


 「Smart BEST」は大容量のバッテリー電源で駆動走行します。バッテリーが放電した分だけを小型のエンジン発電機により効率よく充電します。そのため、1両あたりのエンジン出力は従来の気動車の1/3から1/4程度の大きさにすることが可能です。このことにより、エンジンの騒音・振動や排気ガスが軽減され、燃費も大幅に向上します。充電はバッテリーの残量を常時モニタリングしながら、走行状況に応じて最適に行います。
 従来の電車は回生電力を架線等に戻しながら活用する省エネルギーシステムを有していますが、本車両は自ら発電し、かつ回生時の電力を自らのバッテリーに回収し、走行および補助機器(空調機、照明等)に使用する「エネルギーの地産地消」を実現しています。
 本車両は発電のためのエンジンを搭載していますが、駆動は気動車と違い、モーターで行うため、電車と同等の加速・減速性能を出す事ができます。また、乗務員が操作する機器や配置も電車と同じにできるため、取扱い・操作や保守作業が電車と共通化できます。

 「ameri TRAM」と「Smart BEST」の開発を通して、低床路面電車と高床近郊形車両、両タイプの架線レス区間を走行する基本技術を開発いたしました。架線レス区間を電車並みに走行することが可能になれば、変電設備や架線が不要になり鉄道設備のコスト低減や、省エネルギーに貢献できます。
 また、電化・非電化区内の相互乗り入れ等が可能になり、乗客の利便性が上がると共に円滑な車両運行ができます。更に、地上設備がシンプルになり、自然災害への対応能力が高くなります。今後、新線建設が予定されている新興国への展開を考え、本線走行試験に臨み、更なる開発を続けてまいります。


           Smart BEST 外観
                         Smart BEST 内装