架線があってもなくても走行可能な、
リチウムイオン蓄電池駆動100%低床LRV営業先行車が完成


2010年7月21日 

 当社と米国子会社のKINKISHARYO USA INC. は、米国向け次世代LRV(Light Rail Vehicle)営業先行車ameriTRAMを開発、製作しました。これは100%低床車両であり、路面からの乗降が容易で、また、車椅子での車内移動に配慮しています。また大きな特徴として、屋上のパンタグラフによる集電または車載リチウムイオン蓄電池による走行が可能な次世代型LRVとなっています。
 当社は四半世紀にわたり、国内のみならず、北米主要都市に500両以上のLRVを納入しており、北米での主力商品である70%低床LRVはトップシェアを誇っています。今回開発のameriTRAMが加わることで、あらゆるニーズのお客様に対応できるようになります。

LFX-300外観

 

LFX-300内装


 このameriTRAMのコンセプトと概要は以下の通りです。

○人に優しい100%低床車両
 あらゆる人に平等で優しいADA(Americans with Disabilities Act)要求を満足させるために、客室は100%オールフラットの低床とし、プラットホームと段差を なくすために油圧サスペンションを採用しています。また衝突等の車両強度もアメリカ基準を満足した設計となっています。客室内は車椅子の回転を考慮するとともに880mmの通路幅を確保しており、出入口部や設備品等についてもユニバーサルデザインに基づいています。各種電気機器はイーサネット接続され、システムの変更や追加に柔軟に対応することができます。


○環境に優しい省エネルギー性
 鉄道車両は他の交通機関に比べて省エネルギーで環境に優しい乗り物です。特に電車は減速時にモーターを発電機として電力を架線に戻して再利用する回生ブレーキの効果により、環境負荷の軽減に貢献しています。しかし、これまで非電化区間ではこのシステムは利用できませんでしたが、ameriTRAMはリチウムイオン電池を搭載しているため、非電化区間でも回生ブレーキエネルギーを蓄電池に吸収し、回生ブレーキを有効に利用できます。また、電化区間走行時には回生ブレーキ失効も防止できます。


○郊外の利便性に優れた高速走行
 都市部では短い駅間や他の交通機関との調和を考慮すると、40km/h前後の走行が多くなると考えられます。これに対して、郊外及び都市間では専用軌道を走行する場合があり、この軌道での速度向上が到達時間の短縮となります。ameriTRAMの最高速度は80km/hであり、郊外から都市部までの高速走行が可能で、また、加減速度は米国都市部で使用されている70%低床LRVと同等の高い加減速性能を有しています。


○都市空間を快適にする架線レス走行
 リチウムイオン蓄電池を使って架線レス区間を走行できます。リチウムイオン蓄電池は、ニッケル水素などの従来の蓄電池に比べて軽くて小さく、高出力、大容量の蓄電池です。リチウムイオン蓄電池はセル電圧が高いことも特徴で、鉄道車両の原動力に好適です。

              

LFX-300サイドビュー

 

関連リンク
製品について 「部分架線レス100%低床LRV ameriTRAM」
近畿車輌技報 vol.17 アメリカ向けLRV先行電車 ameriTRAM (PDF:552KB/3pages)
100%低床LRV ameriTRAM を米国でデモンストレーション走行披露